シザリオン・ハーツ 作者:壱様/掲載サイト:幻想小説処 ココロジオ
(テキスト)/設定資料/番外編
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あらすじ
 ハーフエルフのシザリオン・ハーツは、母親亡き後の周りのエルフの態度に耐えられず、森を抜け出した。
 人間の里でも心穏やかに暮らせず、森の中を転々とするシザリオンは、ある日「おちこぼれ」にである自分のありったけの力を使って、偶然遭遇した魔獣を倒す。意識を失った彼はその魔獣を倒そうと四苦八苦していた騎士団の面々に拾われ、騎士団のベッドで目を覚ました。
 そこで出会った碧星の隊長アステアはシザリオンを、少年が集まる自分の隊の専属魔術師になって欲しいといって引き止める。
 必要とされた、望まれた経験の極端に少ないシザリオンは、徐々に騎士団の人々とも打ち解けたが、ある日街へ出た彼は、ミゼル教のおぞましい儀式の現場を目撃したのだった。
感想
 ハーフエルフって、結構物語の中では役立たず、おちこぼれ、出来損ない……そんなふうに呼ばれていると、最近思います。エルフと人間というのは、姿かたちは似ていても異なる種族であって、この物語の中でも積極的に交わってはいません。エルフは強い魔力や美しい容姿を持ち、自然の中で暮らします。いっぽう人間は、街をつくり、シザリオンの知らないものやことをたくさん使って生活しています。たとえば金であったり、騎士団であったり。両者は、相容れない存在なのかなあと……そう、思います。ハーフエルフが人間、あるいはエルフの中で暮らすって、どういうことなんでしょう。安土桃山の武士の中に金髪碧眼の男の人が混じっているのか、それともフランスの宮廷にチャイナドレスの少女が出現しているのか。シザリオンは外見を見てみればエルフとあまり変わらないような気もするのですが、事情を知っている者にとっては異人さん以上に異質で、しかも疎ましい存在だったのかもしれません。
 もちろん、エルフと人間が共存している物語もたくさんあります。でも少なくともこの「シザリオン・ハーツ」ではそうじゃない。シザリオンのような子がおちこぼれを責められたりするの、実は読んでいて(私が)つらいのですが……。
 さて、人間側はといえば、エルフは綺麗、強い、是非専属魔術師になってくれ! ……とまあ、そんな感じでした。この騎士団の人々がまた、人間味ある人ばっかりで……特に人物描写が詳しいとか、説明にいろいろなエピソードを盛り込んでいるとか、そういうわけではないと思いますが、彼らの人物像が鮮明に浮かんできて、そしてとにかく楽しい。キャラクターが皆微笑ましくて、さらさらと読み進められます。
 なんといえばいいのか分かりませんが、とにかく魅力的な、読み進めるのを苦痛に思わない読み易い文章だと思います。
キャラクター語りシザリオン・ハーツ
 物語の主人公、ハーフエルフのシザリオン君。
 彼、とても可愛いですよ。(力説)
 ハーフエルフ、というのは、人間とはあまりまじわらないで暮らし、強大な力を持つ純粋なエルフにとってはただのおちこぼれでした。シザリオンも、お母さんが亡くなってからはずっと、周りのエルフに「なんだこいつは」、のような目で見られて、とうとう森を出てきてしまいました。
 でも人間の里へ出ても彼は奇異の目で見られていて……人間たちはただ、ハーフエルフのシザリオン君が可愛いから見てただけなのですが、それを「人間にもつまはじきにされている」と勘違いするその精神構造、可愛いです、是非弟に欲しいです!
 とにかく、天然入った言動と人の世界の常識をまるで知らない子供のような、けれど飲み込みは早いハーフエルフのシザリオン君、いいです。周りの人を思わず笑顔にしてしまう、普段仏頂面の人間でも思わず顔をほころばせずにはいられないようなほほえましい行動の数々。こういう弟がいたらなあと……思いませんか? でも面倒見てるほうは大変そうですね。

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